頭の表面近くの神経活動を測定して、ことばや社会性の機能が遺伝や環境の影響をどのように受けているかを明らかにしようという調査です。
調査は「パソコンがお話するから、同じものを選んで指をさしてね」といったふうに、お子様がクイズ感覚で楽しめるものです。
ふたごのお子さんにはお母さんにだっこされながら、スピーカーから聞こえるヒトの声や音楽を聴いたり、 文字や絵を見ていただきます。その時、脳のどこが働いているかを光トポグラフィー(もしくはNIRS)という装置で調べます。また、おもちゃなどを差し出したときのお子さんを観察し、測定中の様子を撮影します。
なお、光トポグラフィーは、乳幼児に対する高い安全性が確かめられている装置ですので、安心して検査を受けていただけます。
光トポグラフィーは近赤外線分光法(NIRS)によって、脳の働きを調べるものです。NIRSとは
Near Infrared Spectroscopyの略です。この装置は、太陽の光に含まれているのと同じ、近赤外
線という体を通過する光を利用することで、脳の表面付近の血液の流れをとらえることができます。測定には、帽子状のものをかぶるだけで、赤ちゃんでも測定することができます。
ニルス班では、すでに80組のふたごのお子さんとご家族に協力をいただいて研究が進んでいます(2009年12月現在)。その成果がいくつか出ており、たとえば日本語の音声を聞いている時は、日本語で無い音声を聞いているときよりもより脳が活動していることが、血流の時間的変化を示すグラフからも読み取れます。