開始の時期

一般的に、排泄機能の発達は2歳頃から急速に進み、4歳半くらいまでに完成するといわれています。

1歳〜2歳くらいの間に、膀胱におしっこがたまったという感覚がわかるようになりますが、それを我慢して排尿コントロールができるようにするためには、大人の手助けとしつけが必要になります。

2〜3歳になると、日中の排尿コントロールができるようになります。膀胱の容量が増えて、尿意を抑えることがラクになるのです。そして、尿意を感じるとモジモジしたり、落ち着きがなくなったりするといった「サイン」も現れます。これを上手にキャッチすると、トイレトレーニングがスムーズにいきます。

しかし、年齢だけにこだわって無理やり始めても、うまく進みません。それぞれの子どもの発達の度合いを見ながら始めることが大切です。


開始の季節

トイレトレーニングは、2歳〜3歳の初夏を目安に始めてみましょう。ただでさえ忙しいふたごのお母さんにとって、夏場こそ最適な時期なのです。

1.夏は薄着

家にいる時は、パンツだけでも大丈夫。急に「おしっこ」と言われても、すばやくパンツを脱がせられます。

2.夏はおしっこの量が少ない

夏は汗をかく分、おしっこの回数も量も少ないのです。

3. 夏は洗濯物がすぐ乾く

失敗が多くて洗濯物が増えても、夏ならすぐに乾きます。着替えがなくなってあわてることも少ないでしょうし、何より「すぐに乾く」と思えば、気持ちがラクです。


開始は同時? ずらす?

ふたごでも、排尿機能の発達が同じとは限りませんから、まずはそれぞれの子どもの発達に合わせることが何より重要です。

また、お母さんの心にゆとりがあることも大切です。周囲の意見に惑わされたり、子どもを比較したりすることは無意味なことです。そして、トイレトレーニングを始めたものの、お母さん自身のイライラが募ったり、子どもの失敗が多すぎてどうしてもうまくいかないと感じたりした時は、思い切ってお休みにするという選択肢もあることを思い出してください。

一緒に声がけできるし、うまくいけば2分の1の時間でトイレトレーニングが終わりますから、二人同時にトイレトレーニングを始めるかたが多いようです。また、ふたごは小さいながらもライバル意識がありますから、お母さんにほめられたい気持ちから競争心が効果的にあおられ、進行がスムーズに行くケースも多いのです。二人の排尿機能の発達がほぼ同じで、さらに子どもの性格などをお母さんがよく把握していれば、同時に始めてよいでしょう。

ただ、子どものことをよくわかっているお母さんでも気をつけていただきたいことがあります。

二人一緒にトレーニングを始めれば、やはり多少なりとも差は生まれます。失敗が多い子とスムーズにいく子では、お母さんがどんなに意識していても、ほめられる回数の多い少ないが出てしまうのです。失敗の多い子どもが、もう一人を意識して過剰に失敗を恐れるようになってしまう可能性もあるので、そういう場合は自信を失わせないようにしながら、うまくいった時は、よりたくさんほめてあげてください。

二人の排泄機能の発達に差がある場合は、時期をずらして始めてください。倍の時間がかかるように思われがちですが、一人目の様子を見ていたことで、二人目の子のトレーニングがあっという間に終わったという例も聞きます。

また、発達に差がない場合も、トイレトレーニングは非常に子どもの様子を気にかけなければならないことですから、お母さんの負担を減らすためにあえて時期をずらすことを考えてもよいでしょう。

しかし、いずれにしても、トイレトレーニングを始めていない方の子どもが「ないがしろにされている」と感じないように、二人ともに気を配ることが大切です。気にしていないようで、子どもはよく見ているものです。時期をずらす場合は、後から始める子のことを充分意識することを心がけてください。