2人を比べる

●成長・成績の差が出てきた場合、どの様に対処すべきでしょうか(15ヵ月・父)。

●2人を平等に見ることができているのか不安です(15ヵ月・父)。

●どうしても比較してしまう時、つらいと感じます。(42ヵ月・母)

●幼稚園に行き始めたので、それぞれ苦手・得意分野が出てくると比較されやすいのではないかと少し心配です(42ヵ月)。

子どもは成長につれてどんどん変わっていきます。成長・成績の差も固定的なものではなく、時には逆転することもあります。ふたごの場合、周りから比較されるのは避けられないかもしれませんが、保護者はそれに巻き込まれないで、2人が別の人格であることをしっかり頭において育てることが大切です。幼稚園や小学校などの先生には面談の時などに、比べないようにしてくださいとお話するのもいいでしょう。

なお、他人に比較されるのは嫌だと思いながら、一番比較しているのは親自身だったりします。長い目で見てあげるよう、努力しましょう。これは大きくなるにつれて、いよいよ重要になっていくことです。

言葉の遅れ

●1人はぺらぺら話ができるのに、もう1人はまだうまく言葉が出てこず、いらいらしている様子です。してあげられることはありますか(18ヵ月・母)。

●CoPがとてもおしゃべりで、しゃべりだしも早かったのですが、ToTの分までしゃべってしまいます。ToTは話す必要が無いのか言葉が遅れています。私も気がつけばCoPと会話していることが多く、日々反省しています(42ヵ月・母)。

言葉が遅れている方のお子さんと1対1の時間を作って話しかけをしてください。また、2人を比べず、その子はまだお話の時期ではないと思って、あせらないようにしましょう。話し始めると一気に話すようになる場合もありますから心配しすぎないように。今は差があるようでも、まもなく追いつきますよ。

親を独占したい

●1人がころんで泣いているのをなぐさめている時に、もう一人がわざところんだりして泣きます。親を独占したいようです(15ヵ月・母・父)。

●1人に何かしてあげると、もう1人も同じようにしてもらいたくてダダをこねます(42ヵ月・母)。

つい、わざとした方を怒ってしまいがちですが、小さいうちなら、「交互」に抱きしめてあげるなど、甘えさせてあげて良いと思います。独占させてあげるために、いつも「順番」に、「両方」に、何かをしてあげるようにするといいでしょう。

なお、ふたごは早くから「順番」が理解できるようになります。抱っこは「順番」、お母さんの膝は「半分こ」……。うまく順番や交代にすれば、我慢できるようになります。今の子どもは「我慢する」経験が少ないようですが、ふたごは我慢できる子に育ちますよ。

CoPが私にべったりなので、ToTが甘えてこなくなり、気を使っているように見えます。意識してToTのそばにいても、必ずCoPが邪魔をするので気がかりです(42ヵ月・母)。

お母さんとToTちゃんが1対1になれる時間を作ってはいかがでしょう。難しいとは思いますが、お父さんやおじいちゃん・おばあちゃんに1人だけ連れて出かけてもらったりして、短い時間でもいいので2人の時間を作ってみてください。また、ToTちゃんが気を使っているように見えるとのことですが、いまはCoPちゃんがべったりするのを必要としていて、ToTちゃんが今は譲ってあげている時期なのかもしれません。母さんが2人のお子さんをよくわかっておられるようですから、大丈夫だと思いますよ。

2人の得意、不得意なことがはっきりしてきて、1人ができることがもう1人ができないと落ち込みます。何でも同じように扱ってもらいたい気持ちが強く、互いに同じようにできる事を望んでいます(48ヵ月)。


ふたごの場合、一方が得意なことを、もう片方がやらなくなることがよくあります。違う得意分野を見つけてあげられるといいですね。でも好きな分野なのに負けていると感じてしまうのはかわいそうですね。たとえば絵なら、違う良さ(色使いなど)をほめてあげるなどうまく後押ししてあげましょう。

また、すべてにおいて1人の子が何でも得意だという場合もあります。この場合、ご両親はもう1人の子を心配されるでしょうが、じっくり努力することを覚えたりして、長い目で見ると良い結果を生むことも多いのです。心配しすぎず、好きなこと、得意なことをのばしてあげられるといいですね。

おもちゃを1つしか買わないと、必ずけんかになります。2つ買うべきでしょうか(15ヵ月・母)。

小さなおもちゃなら、小さい間はそれぞれに持たせてあげても良いのではないでしょうか。親は無駄なように思っても、ふたごちゃんたちにとっては大問題だったりします。ブロックのようにみんなで使うおもちゃは、「順番ね」「なかよくね」と言い聞かせて遊ばせてください。

ライバル意識が強く出てきて、朝から晩までケンカが続きます(48ヵ月)。

自転車の前か後ろか、歯磨きの順番、お母さんの隣の席……ふたごは生まれた時からのライバル。競う内容は変わっていきますが、高校生になっても競争意識からケンカをします。一方で、いい具合に働くとスポーツや勉強を伸ばしあったりすることもあります。それぞれの良さを認め合えるように育てていくようにするとうまくいくようです。

おもちゃの奪い合いになるといつも同じ方が勝ちます。このままでは、勝つ方は負けることを知らないまま成長し、負ける方は競争に消極的になるのではないかと心配です。奪い合いにならないように気をそらしたりするのがよいでしょうか?

負けっぱなしの子どもを不憫に感じてしまうかもしれませんが、基本的にお母さんがすべきことは、負けてばかりいる子の方に加勢しないこと、勝ってばかりいる子を叱らないことです。

しかし、何ごとも時と場合によります。たとえば体格差が大きい場合には、不利な方をかばってあげることも必要です。また好きなおもちゃの取り合いのような場合は、ジャンケンで決めたり、かわりばんこに使うというように、大人がルールを決めてあげた方がいい場合もあります。それから大事なことですが、ケンカをさせる時は、周りにある危ない物をどかしてください。モノを持って相手はぶつのは、どんなときでも反則です。

男の子、女の子の力の差が大きくなってきて、けんかが一方的になってきました。男の子が女の子を叩いたりします。言い聞かせ方はありますか(24ヵ月・父)。

叩いた子を一方的に怒ったりはしないで下さい。まだ言葉で上手に言えないとは思いますが、理由を聞いてあげた上で、叩くことはいけないと教えていきましょう。泣いている方、弱い方の子が悪い場合もあり、いつも弱い子をかばっていると、強い子がますます叩いたりすることもあります。特に男の子の場合は、(大きくなってからも)口では負けてしまうため手が出ることが多いので、親子でゆっくり話をする時間も作っていけるといいですね。エネルギーを発散できるよう、時には男同士で思い切り遊んではいかがでしょうか。

ふたごですが兄(姉)、弟(妹)を自覚させた方がよいのでしょうか(15ヵ月・母)。

子どもが成長して、周囲と触れ合う機会が増えると、周りの人から「どっちがお姉ちゃん(お兄ちゃん)なの?」といった質問をされて、自然に意識させられることもありますが、あえて自覚させる必要はないと思います。同じに生まれたのですから、同じに扱ってあげましょう。

男女のふたごで、異性が身近すぎ、異性の友だちにも遠慮がなくなるのではと心配しています。ケンカも力の差があることを理解させるのはどうしたらよいでしょう(42ヵ月)。

男女の力の差がはっきり出てくるのは、小学校高学年くらいからです。その頃には自然に理解しますし、男女のふたごの場合、思春期には学校では一緒にいないようにするなど、距離をおくことが多くなるようです。心配しないで大丈夫ですよ。

習い事や遊びなど、今まですべて一緒にやらせていましたが、3才半になり、それぞれ個性や好みも分かれてきているので、今後は本人の意思も尊重すべきでしょうか(42ヵ月)。

本人たちが別々のものをやりたいと言うならやらせてあげるといいでしょう。でも、親が無理に別々のものをやらせるよう仕向ける必要はないと思います。また、何でもやりたがる子、何でも尻ごみする子もいます。「やりたくない」と言ったからやらせなかったら、後で「自分もやりたかった」と言うことも…。ちょっと背中を押してあげる必要がある場合もあるようです。2人でなら頑張れるけれど1人なら行きたくない、という時もあるので、お子さんの様子に合わせてあげてください。

ふたごの上にきょうだいがいます。そのため、周囲の「いつでもママの愛情が3分の1だから指をしゃぶるのね」等の声が気になります(15ヵ月・母)。

子育て中のママは周囲の声が気になりますよね。たしかに子どもが多ければ一人に手をかける時間は減るかもしれませんが、愛情が減るわけではありません。一人っ子でも指しゃぶりをする子はいます、気にすることはありません!

男女のふたごの上に、もう1人子どもがいます。その子がふたごの女の子ばかりかわいがります。3人で仲良く遊んでほしいのですが(15ヵ月・母)。

上のお子さんは女の子でしょうか? それなら同性で遊びの興味が同じ、ということもあるかもしれませんし、女の子の方が扱いやすいというのもあるかもしれません。また、命令をきく子をかわいがるケースもあるようです。小さいうちはママも仲間に入って一緒に遊ぶことを教えてあげてはどうでしょう。一緒に遊べないときは、「2人と遊んでくれると助かるわ」など、上手にほめて2人と一緒に遊ぶよう促してみてください。理由が聞けるようでしたら、機会をうかがってそっと聞いてみるのも良いかもしれません。

ふたごがいるばかりに、その上のきょうだいにずっとストレスをためて我慢させています。きょうだいの子に対する良い接し方があったら教えてください。

必要なのは、そのお子さんが誰かの関心を独り占めできるという体験でしょう。一般的に、子どもに関心や愛情を注ぐのは必ずしも何時間も続いている必要はなく、短時間を頻回にした方がいいといわれます。ですから、長い時間は取れなくても、ふたごを誰かに預かってもらって上の子と密に接触するなど工夫をしてはどうでしょう。自分の専用だという実感は、その子どもをかなり情緒的に安定させるでしょう。

ふたごの上にいる子どもが、誰にも声をかけてもらえなくて、かわいそうです。

上のお子さんのことを第一に考えてあげましょう。たとえば、親しいご近所のお友だちなどには「上の子の方に声をかけて」とふだんから頼んでおいてはいかがでしょう。また、お兄ちゃん、お姉ちゃんであることをほめてあげ、2人きりになったときには思い切り赤ちゃんがえりして甘えることもゆるしてあげましょう。